グランパの山歩き

                  和泉葛城山(858m)と天狗岳(558m)

1.2002年11月8日

2.単独行

3.南海電鉄:臨空タウン―貝塚 水間鉄道:貝塚―水間¥650

  バス:水間―蕎原¥470 犬鳴山温泉―泉佐野¥470

4.地図:国土地理院1:25000内畑

5.ガイドブック:新・分県登山ガイド26大阪府の山

     

11月8日(金)晴

 7時53分発、難波行き急行に乗る。次の泉佐野で通学通勤客がどっと乗り込み座席は一杯となる。8分で二駅目の貝塚で降りて水間鉄道に乗り換える。8つの駅を過ぎる。

 8時25分、水間駅に着く。周りの店は未だ閉まっているし、駅前の蕎麦屋もやっていない。菓子パンを食べていた運転手と話す。今日の勤務は蕎原との往復を繰り返す。水間鉄道は貝塚を中心にタクシー、バスの他不動産もやっている。ここの駅舎は水間観音にあやかったレトロな建物で屋根から九輪の尖塔が突き出ていた。

DSC00006.JPG水間駅

 8時45分、サラリーマン2人乗せて出発。高速道を潜ってしばらくすると谷あいを走っていく。途中の駅で2人は降りていく。14分で蕎原に着いてしまう。林道を歩く。棚田が奥まで続いていた。近畿自然歩道を歩く。そぶら山荘の脇を通る。

DSC00007.JPGそぶら山荘

 橋を渡るとトイレがあった。「登山Aコース」と書いた道を登っていく。宿ノ谷林道の小さな滝を幾つか通って行くと、沢蟹がいた。

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   雨止みて沢蟹出でし山の道

 更に登っていくと2匹目がいた。今度は甲羅を掴み、道連れにして登っていく。3匹目が現われたところで対面させてみた。ところが2匹ともジットしている。こちらが手を近づけると手に向って鋏みをひろげる。 「保安林」と書いた立て看板にキリスト教団体の雑誌をビニール袋に入れてかけてあった。そこから幅の狭い滝が落ちていた。白糸滝だった。

DSC00009.JPG白糸の滝

 黄葉したブナ林に出ると明るくなった。作業道路と分かれて登って行くと再び合流する。コンクリ製の木型で出来た階段を登って行く。稜線に出て歩いて行くと初めて人に会う。男女4人の若者で、何も持たずに昇り降りしていた。ブナ林の中を歩き、鳥居を越えて石段を一気に登っていく。

DSC00010.JPG

10時40分、葛城神社に出る。

DSC00012.JPG葛城神社

雨の神さまのいわれが書いてあった。享保年間、岸和田藩主岡部氏が白鹿を射殺すると、雷が鳴り豪雨になってしまう。そこで藩主は葛城一言主命の八大龍王を祀って山を鎮めた。以来、雨の神さまとして信仰の対象になっている。この山は役小角が修験道場として使われたところでもあった。先に展望台があったが、どんよりしていたので車道に降りる。茶屋に入りオデンを食べる。足元に柴犬がやって来た。ねだっている様子だったが、無視しているといなくなる。

11時10分、五本松までの3キロ、車道を歩く。向かい側から時たま車がやって来るが、静かな風景の中、西脇順三郎の詩「旅人かへらず」を読みながら歩く。ここは和歌山県との県境で五本松の駐車場に置いた車の車両番号も和歌山ナンバーだった。更に車道を歩いて行く。ガードレールに売却家屋のチラシが張ってあった。

「奥高野の農家で6DK、300坪の菜園付きで650万円」

定年後に向いている。粉河中央林道と分かれ、紀泉高原道路を歩いていく。矢印型の小さな白い看板が木にかかっていた。見逃すところだった。樹林の中に入って行く。足元に気をつけながら、赤いテープを頼りに蜘蛛の糸を払いながら歩く。

12時55分、大天上ケ岳に着く。樹林の中に道標がかかっていた。

DSC00013.JPG大天上ヶ岳

ここは葛城28ヶ所遍路の一つだった。稜線を歩いていくうち、ロープのある急坂を降り、登り返して天狗岳への分岐点に出る。10分歩いて天狗岳に着く。羽根を両翼に付けた天狗像が立っていた。

DSC00014.JPG天狗岳頂上

風の音が西から東に動き、頭上の木々を揺らしていた。天狗に挨拶して戻る。ハナミヅキの赤い実が鮮やかだった。

DSC00015.JPGハナミズキ

分岐点を左にとると直ぐに経塚権現山に出る。更に歩いて行くと倶利伽羅不動明王を奉納した鳥居に出る。ここからは展望できた。白い紐を潜って降りて行く。僅かに残る人跡を探しながら、木や枝に捕まりながら。段々と深みに入っていくよう。視界がきくので、いざとなれば戻ればいいという気持ちになる。

14時15分、地蔵ケ岳の福槌権現に出た。修験道コースは厳しい。砂礫で足元が覚束ないところにはロープがあった。「さいの河原」をトラバースする。金龍大神の石碑が真中に立っていた。蛇腹を過ぎると本道に出る。今までのルートは裏行場だった。一気に降りて広場に出る。大きな身代わり不動像が立ち、「水子地蔵尊」と書いた旗が並んでいた。

DSC00017.JPG身代わり不動像

参拝客がお札を買ったり、お参りしている。

バス停までの渓谷道には誰もいなかった。幾つかの滝を見、太鼓橋を渡っていく。

DSC00021.JPGDSC00019.JPG

犬鳴山温泉に出る。温泉センターがあり、玄関まで行って見る。客を送り出す女将が慇懃無礼というか、見下した態度だったので辞去する。

バス停まで出て、出発時刻を確認しておく。向かい側の駐車場管理オバサンに「山乃湯温泉」への道を聞く。車道を歩いて3分だった。駐車場の方から入るとビール箱を持ったオバサンがいた。600円払って入る。他に3人いた。湯はぬるっとして確かに温泉だった。じっくり暖まる。

DSC00022.JPG山乃湯温泉

DSC00023.JPG

16時38分発、泉佐野行きのバスに乗る。この辺一帯には溜池が多い。水呑地蔵で養護学校の生徒がどっと乗って来て、隣りに青年が座る。イキナリ「どこから来たノ」と聞く。

「温泉から」

「名前は」エッと思ったが「山、山ちゃん」と答える。隣りのおっさんがニヤニヤしていた。

17時13分、泉佐野で降りる。ビールを飲み、鰻丼を食べてホテルに帰る。夜から雨が降り出し、翌日は冷え込んでいた。


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